頭に血が上がって、駐車場に飛んで行きたいところだけど、
りりちゃんには
「僕の車が壊されたので、ちょっと様子見て来るね。眠たいなら先寝てていいよ。」と伝えた。
「一緒に行くよ。」とついてきてくれたので一緒に駐車場に行くことにした。
すでに騒ぎを傍観している人がたくさんいた。こんな朝方なのに!
しかも下着のみを着ている若い男性が2人、車の近くにいた。
本当に迷惑な人だなズボンくらい履けよって思った。
飛び降りた人に車を壊されてすでにイライラしていた僕は、彼らを力強く押し込み
「なんだよ!こんな近くで!」
そのうちの一人は僕の方を指して
「君こそ何ですか?車の上は僕のクラスメイトです!」
僕は女々しい男が大嫌いだし新車がつぶされたことの怒りもあって、彼の指を掴んだ。
「俺の車だ!」
もう一人の筋肉質の男は女々しい男と僕のやりとりを無視して、独り言を続けた。
「どうしてこんなことに...」
しばらくすると、110(警察)と119(救急車)の両方が来た。
警察に事件の顛末を話し記録を作成してもらった。
新車は証拠として使用され、2人の「クラスメイト」も警察に連れ去られた。
僕はとても落ち込んでいた。
車の修理代はおそらく自分で払わなければならない。
救急車で引き離されたとき建物から飛び降りた女の子はすでに息していなかった。死んだ人に修理代は頼めないよな。
部屋に戻ると、りりちゃんはメンタル崩壊気味な僕を見つめた。
もう、クリスマスの大人のゲームをする気分ではないと察してくれただろうと、彼女も黙っていて僕をさらに悩ませることはなかった。
しばらくすると、彼女は突然思い出したかのように
「そういえば背が高くて筋肉質な兄ちゃん、知っているかも!
よく私たちの学校にスポーツカーで女の子を迎えに来るから、かなりなボンボンだと思う!」
僕:「飛び降りて僕の車壊したのそいつじゃないし。」
りりちゃん:「そっか。」
徹夜して精神的にも疲れたので、少し寝て起きたら早速警察署に電話して事件を聞いた。
ビルから飛び降りた少女が刑事事件に巻き込まれた可能性があり、捜査が必要なため車が戻ってくるまでには時間がかかると漠然に言われた。
刑事事件?これは僕の興味を引いたが警察から使える情報を得るのは難しすぎる。
だから僕は「中華」のタバコを1箱使って、ホテルの係員の口から昨夜の事件の全体像を伝えてもらった。